売上や収入

「保育園落ちた、日本死ね」がお金になる理由【ビジネスのネタ】

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マーケティング「共通の敵」

毎日のニュースを見て、ただ「ふ~ん」なんて思っていては、お金は集まりません(笑)

ニュースネタはお金の泉です。(株をやっている方なら、よ~くご存知ですよね。)

ビジネスでも、それを上手に利用しているケースはたくさんあります。

 

社会問題を収入に繋げる

数年前に話題になった「保育園落ちた、日本死ね」という話を覚えてますか?

当時は「待機児童」が社会問題化していました。

業界では有名なエピソードですが、そのような保育園に落ちた人に届く「不承諾通知」に対して、「それ、1万円分で買い取ります!」 という名乗りをあげたキッズラインという会社があります。

この会社は、ベビーシッターや家事代行サービスを営む会社さんなのですが、絶妙なタイミングで、「あなたが受け取った"不承諾通知"とその"絶望感"をまるごと買い取る不承諾通知買取りキャンペーン」というものを張ったのです。

「1万円分」というのは、現金ではなく、サービス利用時に使える「ポイントで支払う」というものです。

不承諾通知書の画像ファイル送信のほか、ツイートやいいね、あるいはシェア等が応募条件となっていました。

また、「もれなく」ではなく、ある一定人数の「抽選」であったようです。

でも、お母さん方にしてみれば、もし保育園に入れなければ、退職を余儀なくされたり、望まない育休延長を強いられたり、収入が半減するなど、とてもマズイ状況に追い込まれますよね。

話題性とお母さんを味方につけたことで、印象の残り方はハンパではありません。
効果は絶大です。

たとえ抽選に漏れたとしても、つい利用してしまいますよね。

 

マーケティング的視点で解説

「共通の敵」を立てる

このような社会問題等を利用しているようなケース、業界では「共通の敵」を立てるといいます。

共通の敵を立てるということは、「私たちは仲間ですよ・同士ですよ」と言っているのと同じです。

つまり「連帯感」という強い結びつきが生まれ、それは自然に「信頼」という感情に変化していきます。

通常、ビジネス上の信頼を築くまでには、それなりの時間を要しますが、このように共通の敵を立てることで、その時間も一気に短縮できるのです。

しかも「保育園を落ちた方」ではなく、「不承諾通知書」という、より具体的かつ腹立たしい(?)名称を使う事で「あ、これは私宛てのメーセージだ」と思わせてしまうのです。

また、(これをビジネスと言ってしまったら怒られるかもしれませんが)いわゆる嫌韓問題などにおけるケント・ギルバート氏などもそのようなポジションをとっていますよね。

ホリエモン氏あたりも、ご本人の意識にかかわらず、そのスタンスだと思われているかもしれません。

 

「買取り」という表現

本件の上手いトコロは「買取り」という言葉を使っていることです。

例えば「今なら1万円分のポイントが付きます。」だったらどうでしょう?

あるいは、「1万円引きにします!」では?

どこでもやっている印象ですし、それではそれなりのお客さんの数しか見込めないでしょう。

「こんな(忌々しい)ものを買ってくれる!」
「お金がもらえる!」

そう感じさせることができますね。

「よりお得感を感じてもらうため」に、1歩先まで考えた秀逸な表現です。

 

SNS上での拡散

SNS上でのシェアも条件にしていましたね。

このような共感を呼ぶ内容であれば、ある程度のバイラルが発生していたことが想像できます。

「お客さんをセールスマンとして、上手に使っている」ということです。

 

ビジネス形態が準サブスクリプション

サブスクリプション(通称サブスク)はご存知ですか?

継続課金とか定額サービスとかの総称ですが、一定額で継続的にサービスを受けられるビジネス形態です。

簡単に言えば、今であれば「見放題・聴き放題」、昔からなら家賃、税理士顧問料などです。

(わざわざ横文字で表現するほどのものでもありませんよね~。)

まず、ベビーシッターというのは、子供が小さいうちなら、それだけで常に利用可能性があるわけです。

しかも、本件の場合は「保育園に落ちた人」ですから、継続的に利用されるケースがかなり見込めます。

であれば、1万円程度を値引きしたところで、一定期間利用してくれれば十分利益が出ますし、そもそも抽選(数量限定)なので、それ以外の利用者を呼び込めた場合には、もうウハウハです(笑)

下手な広告費よりもよほど効率が良いことがお分かりになるでしょう。

 

まとめ

今回は、「共通の敵」+「創意工夫」の例を挙げました。

特に、「共通の敵」は、ビジネスに限らず、昔から利用されています。
(ヒトラーとユダヤ人など、枚挙にいとまがありません。)

Apple社の「MacやiPhone vs.それ以外」などのスタンスも、ユーザーに特別感や連帯感などを持たせ、メーカーや製品にコミットさせているわけです。

コインチェックのXEM流出事件時や、ICO詐欺などにおいて、ホルダーの団結をビジネス利用するシーンも目にしましたよね。

さて。こんな話を「面白い」と思った方。
意外にビジネス好きかもしれません(笑)

今、ビジネスを持っている方。
あなたのビジネスに「共通の敵」に成り得るものはありますか?

 

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