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仮想通貨マンの税金【個人と法人の違い】~ 個人は税理士費用が経費にならない !?

更新日:

個人と法人の税金の違い

個人は税理士費用が経費にならない!?

個人であれば、残念ながら経費にはなりません。

仮想通貨の売却益(所得)が「雑所得」であることはご存知ですよね。

そして課税の対象となる所得金額は、

「雑所得=収入金額-必要経費」

で計算されます。

ここで、必要経費の定義を見てみましょう。

所得税法

(必要経費)
第三十七条
(第1項)
その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額(事業所得の金額及び雑所得の金額のうち山林の伐採又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。

どうでしょう。
キーワードは「収入金額を得るために直接要した費用」「業務について生じた費用」です。

基本的に必要経費とは、「その所得を生み出すために」「事業の維持に」必要な経費ということですね。

事業規模でやっている方なら、決算書を組みますし、販管費(販売費及び一般管理費)という概念も出てきます。業務という表現も馴染みます。

でも、雑所得の範囲でやっている方の中に、「業務」と認められる方がいるでしょうか。

同条中に記載のある「別段の定め」が出来るとか、「費用として差し支えない」という通達が出来るとか、あるいは、現場の職員さんが「行政裁量」や「見て見ぬフリ」をしてくれる等のケースが、期待出来ないわけではないですけどね。

「仮想通貨(暗号資産)を買う」

これは、「儲けるために必要」なので経費になります。
なければ、儲かりませんよね。

そして「儲けるためのセミナー」もOK!「儲けるための本代」もOK!です。

でも、「節税本」や「申告書作成費用」などは、それがなければ儲けることは出来ないでしょうか?

これが、税理士の費用は経費にならないと判断される理由です。

 

法人の場合の取り扱い

これが、法人になると話は変わってきます。

法人では、収入金額に当たるものを「益金」、必要経費に当たるものを「損金」と呼びます。

また、少しだけ法律を読んでみましょう。

法人税法

(各事業年度の所得の金額の計算の通則)
第二十ニ条
(第1項)
内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。

(第3項)
内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。

一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額

二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額

三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

第1項は、所得金額の計算の仕方を定めています。
めっちゃシンプルですね(笑)

そして第3項が、費用(損金)について定めたものです。

これを乱暴なくらい簡単に言えば、「事業に関する支払なら、基本的に全部経費として認めるよ!」ということです。
(もちろん、貸付金とか前払金とか事務所の保証金とか「実質的にお金の価値がキープされる」ものはダメですし、法人税の納付額など、法律で経費にならないと規定されているものもあります。そういったものを「損金性がないもの」と呼びます。)

法人は、「事業しかやらない」前提で存在が認められるからですね。(NPO法人等、例外もあります。)

 

個人と法人で違うところの例

適用(最高)税率の違い

これが一番大きいかもしれませんね。

個人の最高税率が56%(住民税・復興税含)というのはご存知でしょうが、累進課税ですから、全ての段階で適用されるわけでもありません。

例えば、「1億円の利益」で言えば、個人なら総額に対して51%、法人なら37%(表面税率)くらいになります。

仮想通貨(暗号資産)投資の損益

個人は、売却時に損益を認識します。

法人であれば、売却時と期末時(時価評価)で損益を認識します。(原則は2019/04/01以後終了年度~。経過措置が設けられる予定。)

仮想通貨(暗号資産)投資の損失の繰越

個人の場合、損失は繰越できません。
事業者(規模)なら3年繰り越せます。

でも、法人なら10年です。
まあ、10年も繰り越すような状況であれば、その前に潰れてしまうでしょうけど。

仮想通貨用のPCを買うと

個人だと、私的に使っている部分があるのであれば、「使用時間等での合理的な按分計算(及び根拠)」を求められます。

法人であれば、トレードにさえ使っていれば、多少個人的に使おうが、(実務上は)まず全額が経費になります。
これは、サラリーマンがこっそり法人を設立していても変わりません。

車を買うと

仮想通貨の話からは逸れますが、「車を買う」これも法人のほうが有利です。

通常の個人事業者でも、例えば、土日は仕事は休みということであれば、5日/7日というような按分計算をして経費にします。

法人でも「ほとんどが個人的な使用」だと流石に厳しいですが、「ある程度、個人的に使う」程度であれば、車自体を否認される確率は低いです。(状況は個別判となります。)

法人には、基本的に「按分計算」という考え方はないので、こんな場合はキチンと使用簿等を備えて、私的に使用した際には「適正な使用料を会社に支払う」という形にしましょう。

嫌ですか?(笑)
でも、そのような個人的な使用って、年間で何日あります?

「1日あたり○○円」等と定めて、キチンを会社に支払えばいいのです。
使わない日の減価償却費や駐車場代等は、全部経費になりますので。

 

まとめ

個人と法人の取り扱いは、似ているようでかなり違います。

税金は地味な分野なので「地味つながり」で言えば、将棋と囲碁くらいルールが違うということです。

え?どっちも知らない?(笑)
でも税金も、そんな感じですよね。

個人と法人の税制は囲碁と将棋くらい違う

所得税法と法人税法、わざわざ別々で法律が作られています。
仮に似ているとしても、似ているということは「同じではない」・「違うところがある」ということです。

似ていると思って油断した結果、実際に結構な数の人が、落し穴に落ちています。
(消費税法しかり!です。)

損をしたくなければ、やはり最低限の勉強は必要です(^^♪

 

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