私たちの言うことを聞かない脳ミソの性格
お金で困るパターン。確かに外部的・突発的な事象に起因するケースはあります。
でも基本的に、お金で困らないためには、文字通り「お金で困らない脳」に仕上げることが必要です。
そして、そのように仕上げるには「そもそも自分の脳がどういう性格のヤツなのか」を知っておく事が大切です。
脳は疲れたくない
脳というのは、小さいくせに実に大食漢なのです。
体重のたかだか2%を占めるにすぎないにもかかわらず、全エネルギーの18%が脳に消費されます。
ちなみに、エネルギー源はグルコース(ブドウ糖)です。
プロ棋士が、長時間に及ぶ対局において、おやつにブドウ糖の摂取を意識するのもそんな理由からですね。
そして、脳は私たちと同じく「なるべく疲れることはやりたくないなぁ」と思っています。
しかし、深く考えれば考えるほど、それに伴って膨大なエネルギー量を消費します。
どうやらそれが気に入らないらしく、その結果編み出した技が「短絡的思考機能」なのです。
例えば、選挙の時などは、候補者の公約もよく調べないまま、ポスターの印象だけで投票したりしませんか?
例えば、ステレオタイプと評されるような、「○○ならば○○(に違いない)」という判断をしたりしませんか?
写真映りと政治の力量に直接的な関係はありませんし、眼鏡をかけていたからと言って、真面目だとも限りません。
なのに、脳は「短絡的思考機能」を繰り出し、間の思考過程をすっ飛ばして結論を提示してきます。
それが楽だからです。
ノリで話を進めたり、気合で仕事をさせようとするタイプの人いますよね。
ほとんど考えないからです。
結構な収入があるにもかかわらず、貯金がほとんどない人や詐欺臭たっぷりの儲け話に引っかかる人いますよね。
簡単な計算もしようとしないからです。
ビジネスやお金に関する大事な場面では、少しくらい面倒臭くてもキッチリ考えることが必要です。
それができない限り、いつまでたってもお金は集まってきませんし、逆に、意味もなく出て行ったりするのです。
脳がこういう性格であることを理解しておけば、重要な場面で意識的に深く考えることができますし、結果、良いアイデアが生まれたりもします。
ちなみに、子供の頃に勉強を頑張ると、「疲れることに抵抗を感じないタフな脳ミソ」を作ることができます。
学生時代の勉強は、社会に出てから役に立つか?なんていう議論もありますが、少なくとも、この点においては有益だという事ですね。
脳は不安を感じたくない
次の技は「強制不安払拭機能」です。
例えば、高価な服飾品を買ったあと、急激に買って良かった感を感じたことはありませんか?
今まで、なかなか買わなかったのに。
仮想通貨マンが仮想通貨を買ったあと、あるいは競馬ファンが馬券を買ったあと、急に勝つ気マンマンになったりするシーンを見たことはありませんか?
買うまで、あれだけ迷っていたのに。
「もしかしたら、失敗したかもしれない…」
そう思わせないよう、脳は私たちを上手く騙すのです。
人間って、不安に思うといろいろ考えてしまいますよね。
しかし脳は、買うまでに散々悩んだのに、その後もアレコレ考えるような面倒臭いことはしたがりません。だから「決めた」とか「信じた」とか呼ばれる心理状態にして、私たちに都合のいい勘違いをさせるのです。
そしてその結果はというと…
文字通り根拠のない自信が湧き、それが頭を固くし、顧みることも引き返すこともしなくなります。
あるいは、不安をかき消す材料のみに意識が向くようにして、それ以外に対しては「見猿・聞か猿」な状態にします。
不安な時に、自分で考えず、ネットで安心できる材料ばかりを探してしまった経験もあるのではないですか?
最悪、破滅への道を歩んでいるかもしれないのに、これはとても危険なことですよね。
でも、そういうものだと理解しておけば、早い段階で冷静に対処できるようになるのです。
まとめ
以前「100%症候群ではお金は稼げない」というお話しをしましたが、これは、脳が自分で編み出した、考えないための・不安に思わないための自己防衛機能のせいだということです。
そうやって、ヤツはなるべく楽をしてその場を凌ごうとします。
個人的には、社会のデジタル化・会社業務のマニュアル化等に伴い、この傾向がさらに顕著になったと感じています。
本当は「やればできる子」なのに、実に勿体ないと思いませんか?(笑)
でも、あなただけではなく、基本的にみんなそうなのです。
そしてここに、(マーケティング等において、売り手が買い手に)付け入る隙が生じます。
これを理解すれば商売ができますし、理解しなければ、ず~っとカモられ続けるという事ですね。
追 伸
今回はごく簡単に書きましたが、自分や他人の脳ミソの機能について、もう少し詳しく知りたいと思った方は、是非、「ファスト&スロー」という本を読んでみてください。
ビジネス界では、非常に有名な本で、とても大切な、ビジネスの根幹に必要なことが書いてあります。
事業者の方は中古で十分ですが、サラリーマンの方には電子書籍版をお勧めします。
通勤途中などのちょっとした時間を見つけて読めるからです。
(そしてできれば、1度ではなく、何回が読み返してみてください。)
ビジネスを目指す方には必読書ですが、そうでなくても、賢い消費者になれますので、売り手がどんな心理に付け込んでくるのかがわかります。
読めば、十分以上にモトが取れるはずです(^^♪