投資を不労所得などと勘違いしていると、トンデモナイ事になる
これは以前、あるクライアントと交わした会話の1シーンです。
「ちなみに理想の仕事はどんな仕事ですか?」
「投資家です!」
「今までどの位のご経験が?」
「ありません!」
「・・・・・。」
この後、彼はFXの世界に身を投じたのですが、貯金を全て失ったうえ、300万円以上の借金を作ったという話を最後に音信不通になりました…。
そんなに収入がある方ではなかったので、一体どうやって返済するのか、こちらが心配になります。
守之助の仕事柄、起業や収入アップの相談も多いのですが、実際、こんなふうに軽く考えている方が結構います。
相当な余剰資金があって、リスクも承知のうえ、有能なヘッジファンド等に任せられる身分だというなら、特に言うこともないですけどね。
専業トレーダーは1%?!
ほうぼう調べましたが、正確な数字は見当たりませんでした。
ただ、界隈の肌感覚としてはこのくらいとのこと。
退場者の寿命が極端に短いなど、出入りが激しくデータが取り取りづらいのかもしれません。
あるいは、データがあったとしても公表すると新規参入者が増えず、わざわざ商売的に不利になることをしないなど、大人の事情もあるのかもしれません。
そもそも事業者側から見たって、専業かどうかなんてわからないですしね。
専業の定義も曖昧です。
仮に「それだけで生計を立てている人」とすれば、実家暮らしで月3万円あれば生きていける人が年間50万円の利益を出し続ければ条件をクリアしていることになります。
このように、生活費をグッと抑えることで、専業で食っているよ!と言う事も可能といえば可能ですね。
でも重要なのは、あなたが必要な額を稼げるか、稼ぎ続けられるかです。
他の人がどうとか、割合がどうとかは、全く意味がありません。
なお、当記事においては、専業トレーダー=年数百万円以上をコンスタントに稼いでいる人として話を進めます。
専業トレーダーに必要な資質
専業トレーダー、一言で言えば投資の世界のアスリートです。
投資の世界は基本的にババ抜き。
優しく表現すれば「頭がとても良くて、お金を持っている人達が全精力を傾けている場所」です。
怖~い表現なら「金に魂をささげた魑魅魍魎が巣食う場所」ってトコでしょうか。
そんな中で、投資という競技だけで食っていけるのはやはり選ばれた人なのです。
アスリートとは、もともと才能に恵まれた人が、さらにそれに集中して取り組んできた人達です。
素人と大きな実力の差があるのは当たり前ですね。
そんな彼等がよく口にするのは心技体。
これを投資に置き換えればこんな感じ。
- 心=精神力
狼狽しない・欲張らない心でいなければ、判断を誤ります。 - 技=テクニカル分析やマイルールの構築
己の技へのあくなき研鑽は欠かせません。勉強や努力が不可欠です。 - 体=お金の量
鍛え抜かれたアスリートだからこそ、身体のケアには細心の注意を払っています。
身体を壊してしまえば、引退せざるを得ないですからね。
もちろん、チャートを睨んでいられる時間も必要です。
アスリートは通常、小さいころからその才能をいかんなく発揮します。
もしあなたが、投資に関わった期間に比して成長著しいのであれば、可能性はあるかもしれませんね。
もう一つの投資への関わり方
チャートなど、テクニカル要素を勉強せずとも、ガンガン稼いでいる方もいます。
そんな方たちは、「情報」で投資判断をします。
相場は人によって作られています。
源泉に近いところの情報を早く正確に入手できれば、チャートなどを見ずとも投資が可能です。
インサイダー情報を直接入手できたり、情報の発信源近くから、公開前の情報をキャッチできたりという立場になれれば最高ですね。
また、大量の情報を収集・整理して、世界の流れを大局観で見定める等もいいでしょう。
投資とスポーツで異なる点
アスリートとは言いましたが、少し異なるポイントもあります。
1つは、ピークパフォーマンスを振り返ることです。
スポーツでは、過去の良かったプレイをイメージすることで、より良いパフォーマンスを発揮できますが、投資でそれをやるのはとても危険です。
いい時の記憶、投資では「根拠のない自信」を生み、その結果は、さして用心せずに特攻 ⇒ 玉砕のパターンです。
魑魅魍魎たちは、素人のアンカリング効果を利用して相場を作ったりするからです。
また、「負けず嫌い気質」も、方向性を誤ると大ピンチを招きます。
もう1つは、ラッキーの作用量です。
例えば、素人が全英オープンゴルフに出場できる確率より、投資で億り人になれる確率のほうがはるかに高いでしょう。
ただ、ポイントはベースとなる実力、つまり「より再現性が高いのはどちらか」ということです。
グランドスラムに出られるほど人なら、そう簡単に下手クソになったりしません。
でも投資の場合は、ラッキーで瞬間的に勝てたとしても、大体すぐに散財してしまいます。
運頼みで勝ち続けることはできませんし、お金はその人の器に入る分しか残らないようになっているからですね。
世の中、ウマく出来ています。
所得が低い人ほど負けやすい
例えば「会社を辞めたい!」というのはサラリーマンの夢の一つですよね。
こんな時代ですし、今や異性にモテたいという願望より強いのかもしれません。
でも、そのギリギリの精神状態や大きく儲けたいという気持ちでは、かけって裏目に出やすいのです。
実際、FXでは「所得の低い人ほど負けている率が高い」というデータが出ています。
<主な理由>
- お金が欲しいあまり、どうしても高いレバレッジで勝負しがち(=ロスカを食らい易い)
- あまり勉強をしない(=自分の手法が確立しない)
- 「時間」を待てない(=自分の手法での勝率が見込めるまでの経験を積まない)
- お金の器がまだ小さいので、少額なら勝てるが大きい金額だとビビる(=判断ミスしやすい)
- そうこうしているうちに、資金が底をつく(=中途半端な経験量で退場する・挽回のチャンスなし)
つまり「あまり努力をせずに早くいい思いをしたい」という気持ちが根底にあると、負け易くなるということ。
かの有名な投資家、ウォーレン・バフェット氏でも月利は1~2%程度です。
「100万円の元手で101~102万円?そんなんじゃやってられない!」
もしそう思うのであれば、そのせいで、ついついギャンブル的な投資になりがちになるということです。
まとめ
アスリートとしてやっていく確固たる決意があるのなら、
「投資で勝つ!」
これに向かって突き進むのもアリだと思います。
その場合には、まず専業トレーダーさんのブログなどを参考にしてみてください。
華やかな部分ではなく、闇の部分をです。
孤独感との戦いや、相当な努力量が必要なことが感じ取れるはずです。
決してラクして儲けているワケではないので、そこを勘違いして甘くみていると、痛い目に遭います。
サラリーマンは時間を削ってお金に換える
トレーダーは心を削ってお金に換える(特に初期)
削られても、そうそう減らない心と体があれば何とかなるかもしれません。
また、今ののサラリーマン生活でトレーダー以上に心を削られている境遇の方など、既にタフな精神力をお持ちの方なら成功確率も上がります。
なお、個人的には「気が付いたら、いつの間にか専業になっていた」というパターンがベストだと思っています。
私は専業トレーダーの経験はありませんが、少なくともビジネスの世界ではそうだからです。
【問い】
あまり努力をせず、早くいい思いをしたい。そう思ってませんか?
わざわざ確率の低い事を望む。
それは単純に世の中の法則に反しています。
そしてもう一つ。
お金が欲しいなら、最低でも「お金の器を大きくする」ことが必要です。
必ずしも、満タンにしなければならないとうわけではありません。
ただ「小さければ入る量には限りがある」というだけです。
そして、お金の器を大きくするためには、
〇 お金の性格を知る
〇 お金を扱い慣れる
なんと言っても、この2つです。
残念ながら、これはサラリーマン生活だけでは身に付きにくいんです。
私がビジネス推し(副業等でも可)なのも、そんな理由です。